呼吸の芸術

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肥田春充書

肥田式強健術の呼吸操練法の中に真の芸術を味わえる内蔵操練法がある。
精神を統一することなく息を吐き出してしまって息を下腹にグッと下腹部に纏めると、鳩尾から上はポーッとすぐに空っぽになる。上体はまるで正宗の名刀でスポッと切って捨てたようになる。胸がすいて肩が楽になって、頭が軽くなり、まるで虚空に浮かんだようである。精神は自然と澄み渡る。このような感じがする生理的理由は、心中に余裕ができて楽になり、また中心の緊張を得るからである。これらは形からくるのである。
この内蔵操練法ほど精神の統一が機械的にピシャッとできるものはない。雑念は自然となくなって清明の境地に入る。雑念をなくすのではない自然になくなるのである。肥田先生が実験されると機械的に雑念がなくなる。
中心力はまさに朝日のようである。美しく輝き円満だが、強固である。強固と云っても争う気配はない。争う気配がないと云っても爆弾のような力がある。
一挙一動、一吸一呼、ことごとく中心力が磨かれる。そこに真の芸術を楽しむことができる。
美しい、静かな、穏やかな、光明会に界にあって恍惚として、しかも明確に、はっきり、明らかに、存在を自覚しながら、しかしして空、何ものにもとらわれず、何ものにも邪魔されず。
心身の芸術は呼吸の芸術でもある。

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